また、「計画」ではなく「デザイン」という言葉の意味するものは何でしょうか。近代は「計画」に対する過剰な妄想から始まりました。都市と建築の分野でも、建築家や専門家が行政とともにトップダウンで描く計画は、多くの場合市民の猛反発をくらいほとんど実現しませんでした。この苦い経験から「市民参加」が始まり、わが国においても「多様な民主主義」の可能性が見えてきました。また第2に、「建築」というものは単に建物単体のみを指すのではなく、建物を取り囲んでいる周辺環境までを含むものです。市民との対話と協働作業を進めるスキルを身につけるためには、まず「建築」のデザインができなければなりません。問題を解決するための戦略的なプランニングを行い、具体的に空間をデザインし、分かりやすくプレゼンテーションするのです。これからの専門家に必要なものは、まちづくりの現場に密着し、市民の発意を促しながら将来のイメージを多様な市民間で共有し、ともにデザインを実現していく能力なのです。
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我々は、大学の中だけではなく広く社会の中に飛び込んで、市民や様々な専門家、学生達と協働しながら研究活動を展開しています。本拠地の研究室は芝浦校舎内にありますが、他にも研究活動拠点となる「まちなか研究室」を中央区月島と福島県二本松市に開設しています。
単に研究成果を蓄積するだけではなく、研究が確実に社会に貢献することと、まちづくりを実地的に体験した人材のネットワークを築き上げることを目指しています。
志村研究室(地域デザイン研究室)

芝浦工業大学工学部建築学科
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